フランスの伝統菓子 カヌレの作り方
皆さん夏も近づく時期となりましたがいかがお過ごしでしょうか。ぺちこです。
私本人は一週間後に控える教員採用試験の対策に追われて瀕死状態です。
今回は久々のお菓子作りの記事です。タイトル通り、カヌレの作り方を自分なりにまとめてみました。
フランス菓子と聞くと華やかなイメージがあると思われますが、カヌレは正直見た目はフランス菓子とは思えないようなちょっと地味な色合いなので、あまり知らない方も多いと思います。
しかし、その見た目とは裏腹に他のお菓子とは違った魅力的なポイントがたくさんあるので、個人的にこのブログで色々紹介していきたいと思います。
・そもそもカヌレとは?
色々とサイトを参考にした上で、カヌレの起源とかいろいろ書いていきます。
(興味ない方は読み飛ばしていただいても結構です)
カヌレの正式名称はカヌレ・ド・ボルドーという名前です。このボルドーという言葉に聞き覚えがある方は沢山いらっしゃると思います。ワインとか好きな人は結構聞き覚えある気がします。
ボルドーというのは元々フランスの都市の一つであり、今ではボルドーワインの産地として有名でありますが、かつてはこのボルドーにあったボルドー女子修道院という場所でカヌレは作られていました。
ボルドーではワインの澱(液体中に沈んだ粕みたいなもの)を除去する為に卵の卵白を使っていたので卵黄がたくさん余るということがありました。
「せや!この大量の卵黄使ってなんか作ったろ!」
これがカヌレの始まりです。
今でもフランスで作られているらしいので、是非一回は本場で食べてみたいですね。
・カヌレのレシピ
では、実際にカヌレの作り方を紹介していきたいと思います。
色々なレシピを参考にさせていただいたので、最後の方にそれも紹介させていただきます。
・分量(カヌレ型8個分程)
牛乳 280g
バニラペースト 適量(バニラビーンズをお勧めします)
無塩バター 17g
全卵 35g
卵黄 35g
薄力粉 40g
強力粉 25g
グラニュー糖 150g
ラム酒 30g
蜂蜜、無塩バター(型に塗る用)
・生地作り編
1. 手鍋に牛乳、バニラペーストを加えて火にかける
どのくらいまで温めるかに関してですが、沸騰するまでは個人的には温めないです。
大体90度くらいになったら火を止めます。
あとカヌレでは料理用の温度計が結構必要になると思うので、ダイソーでたまに売っているものでも用意しておくことをお勧めします。(私はダイソーで買いました)
2.軽く沸いたら火を止め、60度くらいになるまで冷ます
え?なんで60度なん?わざわざ冷ます理由は何?
と疑問に思う方もいらっしゃると思うので、牛乳を60度までに冷ます理由を紹介します。
まずカヌレとはこの牛乳や卵、粉類を合わせて生地を作って型に流し込んでオーブンで焼くのですが、この時に生地の温度が低すぎると型から生地が飛び出してうまく焼けないことがあります。
そして衛生面では牛乳を殺菌するといった理由も挙げられますね。
じゃあそれじゃもっと高温のほうがいいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、この後卵と牛乳を合わせて混ぜるときに卵が熱されて卵焼きになってしまうので高温すぎるのもNGです。
この時、冷ましている間に薄力粉、強力粉、グラニュー糖をボウルに入れて軽く泡だて器で混ぜ合わせ、1回くらいふるっておきます。
結構色々なものを混ぜ合わせるので、先にふるっておくとスムーズに作業しやすいです。
3.粉類に牛乳を加え、溶かした無塩バター、卵(全卵と卵黄を合わせた物)、ラム酒を加えて混ぜる。
文章で書けば簡単そうに見えるのですが、色々なポイントがあるので写真付きで詳しく説明していきます。
これは人によって入れる順番は異なるのですが、私は先に粉類に牛乳を加える方法でやっています。
この時ぐるぐる―っと勢いよく混ぜるのではなく、何となく混ざったかな?くらいでOKです。この時混ぜすぎてしまうとグルテンという生地を膨らませる力を持っている物質を形成してしまい、これまた生地が飛び出してうまく焼けない原因になってしまいます。
なので「こんなんでいいの?」くらい優しく混ぜましょう。
無塩バター、卵(全卵と卵黄を合わせた物)、ラム酒を加えてゴムベラに持ち替えて優しく混ぜていきます。
写真撮るの忘れましたが、無塩バターは電子レンジで溶かしたものを入れました。
この時も優しく混ぜていきましょう。カヌレの生地はシンプルながら結構デリケートなんですよね。
4.網で濾し、ぴったりラップをして冷蔵庫で一晩休ませる
こんな網みたいなものを使います。ここで一旦濾すので混ぜるときに優しく混ぜてもOKなのです。
濾したらぴったりラップをして、冷蔵庫で休ませます。
できれば1日は冷蔵庫で休ませることをお勧めします。これもグルテンの作用を抑える為です。
おいしいカヌレを作る為に焦らず急がずしっかり寝かせてあげましょう。
・焼成編
それでは生地をオーブンで焼いていきたいと思います。
一番力を入れるところで、カヌレ作りの中で一番難しい工程です。気合い入れていきましょう。
5.生地を冷蔵庫から取り出し、常温に戻す
一日冷蔵庫で寝かせた生地を取り出し、常温になるまで温めます。
常温はどれくらいなのかというと、大体20度から25度となります。
室内に放置して常温に戻しても良いのですが、私は湯煎で温める方法をお勧めします。
冷蔵庫から出した直後の生地の温度はこれくらい。
温度を上げすぎました。こうなると底の方が固まったりしちゃうので気を付けましょう。
心配な方は25度までゆっくり常温に戻していきましょう。ぬるめのお風呂くらいのお湯で湯煎するのがお勧めです。
この時にオーブンは250度に設定して余熱しておきます。時間は60分にしておきます。
カヌレは生地をいかに早い段階で沸騰させるかが勝負どころなので、天板も一緒に入れて予熱しましょう。
写真に撮るのは忘れたのですが、生地作りで使った網でもう一回生地を濾します。
ここからカヌレ型に生地を注いでいくのですが、その前に焼いた後に方から外れやすくするためにバターや蜂蜜を塗ります。伝統的な作り方では蜜蝋をいったん溶かしたものを塗るのですが、あまりにも処理が面倒くさいので私はやりません。
それから大きめの計量カップに生地を入れ、カヌレ型に注いでいきます。
あまり入れすぎると生地が飛び出す原因にもなるので、8分目くらいにしておきましょう。
ちなみにカヌレ型はテフロン加工のものを使っています。本当は銅でできたものが良いのですが、銅のカヌレ型は1個2000円するほど高いです。10個買うと2万円です。死にます。
でもいつかはお菓子作り好きとしては使ってみたいですね・・・
6.オーブンで焼く
余熱が終わったら天板を取り出し、型を並べてオーブンの上段に入れて240度に設定しなおして15分焼きます。
この時オーブンを開け閉めする作業がありますが、オーブンの中の熱がすぐに逃げてしまうので素早くすることを心がけましょう。カヌレは如何に熱を早く入れて沸騰させるかが命です。
これも写真は用意できなかったのですが、オーブンで焼いていると7~8分くらいで生地がぷつぷつと沸騰していきます。これが出たら大体いい感じです。
15分経ったら、次は下段に天板をセットして190度に下げて40分じっくり焼いていきます。
ここで20分くらい経つとカヌレ型から生地が少し飛び出すことがあります。このままにしておくとうまく焼けないので、一旦オーブンから取り出して
オーブンの天板の上で型をコンコンとして生地が元々入っていた位置まで調整します。
これでもうまく焼き色がつかないこともありますが、やらないよりはやった方が体感いい感じです。
この作業でもオーブンを開け閉めするので、オーブンの熱が逃げないように素早くしましょう。
調整したらオーブンに戻し、続きを焼いていきます。
焼き上がりに一旦型から出してみて、焼き色があまりついていないようだったら天板の上にお餅を焼くときに使うような網をのせて、その上にカヌレをのせ200度で5分~10分ほど焼きます。(恥ずかしながら私はいつもこれで焼き色を付けています)
黒に近いくらいの焼き色がついたら出来上がりです。
焼きあがったら網の上で粗熱をとりましょう。
こんな感じで、断面がハチの巣みたいに穴がポコポコ開いているといいカヌレとされます。
全体の作り方の過程はこんな感じです。
・カヌレの食べ方
粗熱をとったらそのまま焼きたてを食べるのが一番お勧めです。
外側のカリっとしたほろ苦い食感と、中身のモチっとした牛乳のミルキーな食感や味わいが美味しいです。その後に香るラム酒の香りも乙なものですね。
すぐに食べきれない人は冷蔵庫で冷やしてから食べると、また違った食感でおいしいので試してみてください。ちなみに私はバニラアイスと一緒に食べるのも好きです。
色々とお好みでおいしく召し上がってみてください。
・まとめ
いかがでしたでしょうか。カヌレは工程の一つ一つに注意すべきポイントが多く、初心者向けとはあまり言えないようなお菓子です。
作り方はシンプルだけど繊細なところは、何となくフランス菓子のイメージとしても当てはまってますね。
色々と参考にさせていただいたレシピも最後の方にまとめておきますので、こちらをまず参考にしていただければと思います。
材料自体は結構そろえやすいと思うので、ぜひ試してみてください。
それでは~
参考にさせていただいたレシピ